市川

通常であれば1学年あたり220名もの学生が集まると喧噪に包まれそうなものですが、キャンパス全体に落ち着きを感じられるのは土地柄や校風に理由がありそうですね。

寺岡

おっとりした学生が多いようでいて、クリエイティブな提案をしてくる学生もおり、実に学生全体のバランスが取れている学部です。多くの学生がそれぞれに目標を持って学んでおり、ディスカッション形式の意見交換にも慣れている姿には感心させられます。キャンパスがあるエリアは、新浦安駅からすぐの附属病院（通称 浦安病院）が当地域の基幹病院として医療と看護を提供しています。周辺に住まわれている方々の温かい心遣いが学生たちのキャンパスライフに良い影響を与えているのかもしれません。

市川

入学者の受け入れ方針であるアドミッション・ポリシーには、学是として「仁」という言葉がありますね。この言葉はどういった意味を持っているのでしょうか。

寺岡

『人在りて我在り、他を思いやり、慈しむ心、これ即ち「仁」』という意味を一語に込めたものです。思いやりと奉仕の心を持ち、隣人と協調しながら感性と倫理観を磨いていきなさいという教えに例えることができます。学問によって知識を蓄えることは必要ですが、看護師は病気を診るだけにとどまらず、患者さんの生活背景から問題を見通す人間力が求められます。そこには、人と人との間にある共感こそが必要なのです。

市川

医療看護学部では看護師と保健師のダブル資格に加えて助産師も目指せます。卒業生は浦安病院での就職が多くなるのでしょうか。

寺岡

浦安病院に限らず、多くの学生は自ら希望して附属病院へ就職します。また、地方から進学して故郷の病院を選ぶ学生や、専門性をより高めるため大学院に進む学生もいます。学生本人の多様な選択肢を尊重したいので、附属病院への就職は必須とはなっておりません。受験生の皆さんも卒業後のやりたいことを考えながらぜひ入学してほしいです。

市川

附属病院以外の就職でも構わないとなると選択肢が広がりますね。先生がお考えになる医療看護学部の魅力とはどんなところでしょうか。

寺岡

オープンキャンパスなどのイベントで聞こえてくるのは、教員と学生の距離が近いというコメントです。確かに私もこの学部の特長だと感じています。指導する立場の教員であっても、学生の視点に立って学業や学生生活のアドバイスをする大学は他にないかもしれません。

市川

通常であれば進学指導がメインとなるアドバイザー制度が4年間の大学生活全体に対する支援として活かされているのですね。

寺岡

その通りです。1名の教員が10名程度の学生を受け持ち、履修する授業から資格取得に向けた学習方法までアドバイスします。さらには普段の生活もサポートできるよう体制が整っているので、学生一人ひとりが持つ原石を磨き上げられる体験や学びを勧めて、卒業後、学生本人が望む道を選べるよう力添えしています。

市川

病棟を模したシミュレーターや学内設備に新しいテクノロジーを導入している点も魅力に感じました。ここではどのような授業が受けられるのでしょうか。

寺岡

最新のシミュレーターや学内設備は、座学だけでは決して身につかないリアリティが教育の現場には必要不可欠という考えのもと導入されました。授業や短期間の実習では気づけないのですが、就職後に必ず直面する「壁」があります。学生のうちから臨床現場に近い環境で実践力向上を目指す必要があると考えます。今後の医療業界は患者さんの権利保護や医療安全の面で現場での実習がさらに難しくなる可能性があります。私たちもそれに備えて学びの質を上げる必要性があるのです。

市川

普段の授業でもタブレットで撮影した内容を共有する授業が当たり前のように行われているそうですね。

寺岡

それだけでなく事前に配信した動画を予習してから授業に臨むスタイルが今では定番です。文字だけでは理解しにくい実践場面をイメージするために動画で学習するのが適切だと考えています。

市川

私が所属する校舎にも順天堂大学を目指す生徒がいます。実際に校舎を見学しお話を伺ったことで改めて順天堂大学に入学してほしい気持ちが強まりました。

寺岡

ありがとうございます。順天堂は健康総合大学としてのネットワークが強みです。現場には多くの卒業生がいますので、学生たちは実習先で卒業生から指導を受けることができますし、また就職してからも、つながりは広がるでしょう。本学には歴史とともに、常に進化し続ける環境が多くありますので、ぜひ志望校に選んでほしいです。

土屋

2020年4月に開学して、今年度で6年目になりますね。まだ新しい大学ですが、これまでの歩みや特徴について教えてください。

藤巻

看護学部の1学科のみの単科大学としてスタートし、2期生を送り出しました。国家試験の合格実績も高く、1期生は看護師96％、保健師は100％、2期生は看護師99％、保健師も100％という結果でした。進路も学生の意志を尊重していて、必ずしも徳洲会に就職する必要はありません。実際に2期生の約6割は徳洲会以外の医療機関に進んでいます。学生が自由に選べる環境が大きな特徴です。

土屋

素晴らしい成果ですね。そうした実績の背景には、学生の雰囲気や日頃の学びの姿勢も関係しているのではないでしょうか。どのようなキャンパスライフですか。

山隈

学生たちは仲が良く、１年生と４年生が気軽に声をかけ合い、相談したり一緒に過ごしたりする、風通しの良い雰囲気です。学生がお互いに良い刺激を与え合いながら学んでいるのも本学の魅力。近年は神奈川だけでなく静岡からの入学者も増えています。

土屋

校舎のいたるところで、教員と学生が談笑する姿を見かけますね。

山隈

教員と学生の距離はとても近いです。授業以外でも「最近どう？」と気軽に声をかけたり、日常の話から進路の相談まで幅広く話せます。アットホームな環境の中で、学生は安心して学び、自分らしく成長していると感じます。

土屋

学生さんが「国際医療・災害医療サークル」という活動もされているそうですね。どのようなクラブなのか教えてください。

藤巻

現在24名ほどが所属し、徳洲会が運営に関わるNPO法人「TMAT（国際医療救援隊）」と連携して活動しています。私も隊員経験があり、西日本豪雨災害での医療支援や訓練などに参加しています。学生には防災を身近に感じてもらうため、かるたのようなゲームを使った学びも取り入れています。昨年度は希望した11名の学生が能登の被災地を訪れ、現場の声を聞いて発表する「能登ツアー」も実施しました。現場に触れたことで意識が大きく変わるようで、卒業後、TMATに入隊した学生もいます。

土屋

患者さんと被災者では接し方も違うと思いますが、その点はどのように指導されていますか。

藤巻

災害現場は特殊な環境なので、相手の心も自分の心も守ることが大切だと伝えています。体だけでなく、その人の背景や人生も理解し、守る。それが徳洲会の理念「命は平等だ」にもつながっていますし、命の尊さを学ぶことが看護師としての姿勢につながると思います。

土屋

老年看護学でも、そうした視点が大切なのでしょうか。

山隈

そうですね。患者さんの体だけを見るのではなく、その人がどんな人生を歩み、どんな思いで過ごしてきたのかを考えられる看護師になってほしいと伝えています。生活歴を尊重し、その人らしさを守ることが看護の本質であり、命の大切さを伝えることにもつながるのではないでしょうか。人間対人間として向き合い、認知症の方とも丁寧にコミュニケーションを取り、思いをくみ取る姿勢が信頼につながると思います。

土屋

看護師として成長するうえで、現場での技術や資格も重要になると思います。どのような機会が用意されているのでしょうか。

藤巻

希望すれば心肺蘇生や緊急時の対応技術、BLS（一次救命処置）やICLSの資格も取得可能。急性期病院でも役立つのでぜひ挑戦してほしいと思います。

土屋

2025年4月からは博士前期課程に助産学コースが新設されるそうですね。その思いを聞かせてください。

山隈

少子高齢社会や変化の激しい社会の中で、人々の健康や生活を支えるために、助産師の役割はますます重要になっています。現場からも「ぜひ育ててほしい」という声があり、新しいコースの開設に踏み切りました。実習では命の誕生や家族の節目に立ち会い、その重みと喜びを感じられるはずです。自分から問いを立て、学び続ける探究心のある方にぜひ来ていただきたいですね。

土屋

最後に、これから貴学を目指す方々にメッセージをお願いします。

山隈

患者さんやご家族がどんな思いでその場にいるのかに誠実に向き合い、「何かをしてさしあげたい」という気持ちを持ち続けてほしいです。治療やケアの場では、体だけでなく、それぞれの人生を尊重する姿勢が欠かせません。命の重みを感じながら、自分の言葉で考え、歩み続ける力を育んでください。みなさんとの出会いを楽しみにしています。

　精神科の看護師として働いている姉から、認知症の人、精神疾患で入退院を繰り返す人、多国籍の人等への看護の苦労ややりがいを聞いたり、看護師仲間との会話や雰囲気を教えてもらううちに、看護師という職業に興味を持ちました。

　自分自身で看護師という職業について調べていく中で、精神疾患への偏見を恐れて相談をとまどってしまうことや、職場・学校でのストレス等の増大という日本のメンタルヘルスの課題を知り、精神科の看護師になりたいという気持ちが芽生え始めました。

　そして、災害発生時に精神疾患を持つ方が避難所で生活をする際にどのような不安を抱くのか、また生活への不安やストレスなどを抱える被災者達に自分は何ができるのか考えたときに、DPATという災害派遣精神医療チームを知り、看護師になりたいという気持ちが強まりました。

　私の現在の目標は、災害時に正確で高度な看護を提供できるように、様々な分野の知識や技術を得ること、外国籍の人ともコミュニケーションを取ることができるように第2、第3言語を習得することです。

　看護師を目指すために必要なことは、本当に看護師になりたいという強い思い、ただ1つだけだと思います。看護師になるために必要な知識も技術も最初は全員ゼロからスタートするからです。最初は分からない出来ないが当たり前だと思います。予習と復習を何回も積み重ねてできるようになることに意味があります。必要なのは絶対に看護師になってやるという純粋な気持ちだけです。根性論になってしまうかもしれませんが、実際強い思いがあれば大抵の事はクリアすることができ、出来ないことや苦手なことも自信が持てるまでできるようになると思います。

　看護の世界を目指したきっかけは、幼いころに受けた食物アレルギーの治療経験です。私は幼少期から食物アレルギーがあり、経口負荷試験を通して症状の改善を図る治療を受けていました。当時は、アレルギーについて理解することが難しく、食べたいものが食べられなかったり、周りの友達と同じものを食べられなかったりすることに、もどかしさや不安を感じていました。そんな中、通院していた小児科の看護師の方が、私にアレルギーについてわかりやすく説明してくださったことが今でも心に残っています。絵や人形を使いながら、幼い私にも理解できるよう丁寧に話してくださり、安心感を与えてくれました。その優しさと専門性に触れたことで、「私も将来、誰かの不安を和らげ、支えられる看護師になりたい」と思うようになりました。特に小児の分野で、子どもたちに寄り添いながら信頼される看護師になりたいという気持ちが、今の私の原動力になっています。

　東京医科大学の特徴の一つとして、タブレット端末を活用したICT教育があります。 看護学科では入学時に全員にタブレット端末が配布され、授業や課題などはすべてこのタブレット端末を通じて行われます。看護学生は教科書が分厚く重く荷物が多いというイメージがありますが、東京医科大学では教科書もタブレットに収められており、手軽に学習できます。レポート作成時に必要な論文や書籍などの文献も学内図書館からデジタ ル書籍として貸し出され、時間や場所を問わず活用できる点も非常に便利です。また、紙媒体では学びにくい看護技術についても動画で配信されており、いつでも繰り返し視聴することで理解を深めることができ、技術の習得にも大きく役立っていると感じます。このようにICTを活用した学びの環境が整っている東京医科大学では、効率的かつ実践的に知識や技術を身につけることができ、看護師を目指す学生の成長をしっかりと支えてくれると感じています。

　また、もう一つの特徴として部活動が盛んな点が挙げられます。東京医科大学はサークルよりも部活動が主流で、多くの部活が大会などで活躍し成果を残しています。私はラグビー部のマネージャーをしているのですが、学年や学科を越えた交流、他大学との練習試合など、部活動を通じてさまざまな人と関われる貴重な機会を得られています。

　学業と部活動、アルバイトなどを両立し、充実した学生生活を送る仲間が多いことも東京医科大学の魅力の一つだと感じています。

　特に印象に残っている授業は、1年生の前期に行われた「看護基礎実習I」です。この授業では、病院で療養する方の生活と、その方が受けている多職種からの支援を見学し、患者の方に関心を持ち、理解を深めるための情報とは何かを学ぶことを目的としています。実際に看護師の方のシャドーイングを行い、看護師という職業を間近で体感しました。

　患者の方一人ひとりに合わせた声かけや関わり方、病状だけでなく生活背景にも配慮した看護の在り方を目の当たりにし、看護の奥深さを感じました。また、患者の方の行動や些細な発言にも耳を傾け、患者の方の要望や状態の変化があれば、看護師が医師や薬剤師、管理栄養士、理学療法士などと連携しながら、患者の方のQOLを高めるために積極的に関わる姿に強く感銘を受けました。さらに、患者の方の表情や仕草から小さな変 化に気づく観察力の大切さや、信頼関係を築くためには患者の方本人だけでなくそのご家族も尊重した、丁寧なコミュニケーションが重要であることも学びました。

　1年生の前期は座学中心の授業が多く、知識を積み重ねる日々が続いていましたが、「看護基礎実習I」を通して実際の現場に触れたことで、教科書だけでは得られない、現場の看護の奥深さや責任の重さを学ぶことができました。高校生のときに参加した看護体験とは異なり、看護学生としての視点で見る看護師の姿は、より専門性や責任の重さを感じるものでした。

　1年生の前期のカリキュラムに、この「看護基礎実習I」という授業があったことで、自分が目指すべき将来像が明確になり、学びへのモチベーションがより一層高まり、今に繋がっていると感じています。

　私は将来、小児アレルギーエデュケーターという学会認定看護師の資格取得を目指しています。これは、アレルギー疾患を持つ子どもとその家族に対し、適切な支援や教育を行う専門的な看護師です。私自身、幼少期にアレルギー治療を受ける中で不安やもどかしさを感じた経験があるからこそ、同じように悩む子どもたちやその家族に寄り添い、安心を届けられる存在になりたいと強く思っています。まだ先の目標ではありますが、そのために今は、基礎的な知識や看護技術の習得はもちろん、アレルギーに関する最新の知識や小児看護の理解を深めることを意識して学びを積み重ねていきたいと考えています。

　これから看護を目指す皆さんも、自分なりの「なりたい看護師像」を持ち続けてください。時には悩んだり迷ったりすることもあるかもしれませんが、そんなときこそ自分が看護師を目指した原点を思い出すことで、前に進む力が湧いてくると思います。ぜひ自分の思いや経験を大切にしながら、一歩一歩夢に向かって歩んでいってほしいです。そして、同じ志を持つ仲間を大切に、支え合いながら学びを深めていってください。心から応援しています。

　東京医科大学では4年間、高度医療技術が揃った大学病院で看護師としての技術や知識を学ぶことができるカリキュラムが備わっており、同じ夢を持つ仲間と切磋琢磨しながら学びを深めることができます。さらに、ICTを活用した学習や部活動などを通した人との繋がりなど、どれもが自分自身の成長を支えてくれます。充実した学生生活を送りながら人間的にも成長できる東京医科大学は看護師としての土台をしっかりと築ける場所 です。夢に向かって真剣に学びたい方にはぴったりの環境です！

　もともと医療系に興味がありましたが、得意な数学や物理をもっと大学で突き詰めたいと考えていたこともあり、高校時代は長いあいだ進路に悩んでいました。進路に関する相談会では臨床検査技師の説明を聞き、高校2年生までは臨床検査技師になることも考えていましたが、改めて大学のことを調べていくと「医療」だけでなく「工学的な知識」も両立できる臨床工学という分野に出会い、その魅力に強く惹かれました。また、数学や物理の知識も生かしながら技術と医療を橋渡しする臨床工学技士という職種が、自分の興味関心のど真ん中にあることに気づいたんです。ちょうどその頃、コロナ禍のニュースで“ECMOを取り扱う臨床工学技士の活躍”にも注目が集まっていました。それを見て、「この仕事がなかったら、命を救えない場面もあるんだ」と実感しました。専門性が高く、医療現場に欠かせない役割であることも大きな動機になりました。医療の最前線で活躍できる臨床工学技士。自分の得意分野を活かして、人の命を支える 仕事に就きたいと考え、この道を選びました。

　臨床工学技士をめざせる大学は全国的にも数が少なく、自宅から通える範囲に絞ると、選択肢は限られていました。他の大学も検討しましたが、最終的に東京工科大学を志望する決め手となったのは、オープンキャンパスでの体験でした。初めてキャンパスを訪れた際、「門がないんだ」と少し驚きましたが、一見すると大学らしくない外観とは対照的に、開放的で自由な雰囲気を感じました。大学全体の空気が明るく、学生と先生との距離も近い印象を受けました。他の大学では、学生が案内役を務め、先生方とはあまり接点がないケースが多かったのに対し、東京工科大学では先生も近い場所に立って説明してくださり、とてもフレンドリーでした。質問にも丁寧に答えてくださり、話しかけやすい雰囲気が強く印象に残っています。また、東京工科大学は駅からのアクセスが良く、交通の便も非常に魅力的でした。地元が同じ在学生の方と話す機会もあり、通学に関する具体的な情報を聞けたことで、不安が和らぎ、とても安心できたのも大きかったです。

　入学後に感じたのは、学生同士が自然と学び合う風土が根づいていることです。課題やレポートが多く大変な授業もありますが、互いに教え合い、支え合うなかで、学びを通して友人との関係が深まっていく――そんな温かい学びの環境にとても満足しています。

　大学での学びでは、毎日の積み重ねの大切さを実感しています。特に実習系の科目では、そのことをより強く感じます。たとえば、学内で行う実習の授業では、実際に病院で活躍されている臨床工学技士の方が直接指導してくださるため、理論にとどまらず「現場でどう活用されるのか」を意識しながら学ぶことができます。また現在は、卒業研究で内視鏡に関連するテーマに取り組んでいます。内視鏡からレーザを照射し、身体の部位の形状を3Dで再現するという研究で、実現に向けたプログラミングに苦労しながらも、もともと好きだった数学や物理の知識を活かせる場面も多く、楽しみながら挑戦しています。こうした学びの中で、気がつけば高校時代よりも学習習慣がしっかりと身についたと感じています。この姿勢は、将来就職してからも継続していきたいと考えています。

　また、先ほどお話ししたとおり、学科内には学生同士が協力して学び合う文化が根づいていて、それは先生との関係にも反映されています。放課後には先生にお願いして実習室を開けてもらい、仲間とともに練習をすることもあるのですが、そんなとき、先生はただ鍵を開けるだけでなく、私たちの練習にも快く付き添ってくださり、指導してくださいます。先生方の印象は、オープンキャンパスで感じたとおり、常に話しかけやすく親しみやすい雰囲気です。授業でわからなかったことを質問しに行くと、理解できるまでとことん丁寧に教えてくださいます。わからないことをそのままにせず、着実に学びを深められる環境が整っていると感じています。

　3年次に行われた臨床実習では大学病院に赴き、手術室、透析室、カテーテル室などの各部門を週ごとに見学し、それぞれの現場で臨床工学技士をはじめとする医療スタッフの活躍や、医療の実際を学びました。特に印象に残っているのは、「心臓カテーテルアブレーション」という不整脈の手術を見学したことです。治療によって心臓の波形が整う瞬間は本当に感動的で、「自分もこうした医療の現場で役に立ちたい」と強く感じました。一方、呼吸器のメンテナンスでは、担当の臨床工学技士の方から多くの質問を受けたものの、うまく答えることができず、自分の知識不足を痛感する場面もありました。ただ、その経験がきっかけとなり、わからなかった部分を徹底的に復習し、翌日には少しでも答えられるようにと猛勉強しました。その結果、呼吸器に関する理解を一気に深めることができ、大きな成長につながったと実感しています。

　臨床工学技士は、医療機関だけでなく、医療機器メーカーなどさまざまな分野で活躍していますが、私は将来、高度な手術にも対応できる技術と知識を持つ臨床工学技士として、病院で働いていきたいと考えています。医療の現場では、常に相手の立場に立って思いやる気持ちを忘れず、より良い方法を模索しながら、成長を続けていきたいと思っています。